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こんな手法もある土地有効活用 その3 定期借地か定期借家か そのメリット・デメリット

税理士法人 FP総合研究所 代表社員・税理士 山本和義

定期借地権の概要

1. 一般定期借地権

一般定期借地権は、借地契約の期間を50年以上とすることにより認められる定期借地権で、3つの特約が有効とされます。

1 契約を更新しない
2 建物を再築しても存続期間を延長しない
3 建物買取請求権を行使しない

この3つの特約は、旧借地法や新借地借家法のもとでは原則として無効とされています。しかし、借地期間を50年以上とする一般定期借地契約の場合にはこれらの特約を有効としています。上記3つの特約が有効とされる結果、当初の契約期間が満了すると同時に借地権が法律上消滅することが保証されます。

この一般定期借地権は、上記3つの特約については「公正証書等の書面」で合意しなければならないとされていますので、法律上は必ずしも公正証書にしなくとも、書面を作成しておけば足ります。しかし、実務的には必ず公正証書を作成すべきと考えます。

2. 事業用定期借地権

平成4年8月1日に施行された定期借地権のうち、事業用借地権を設定する契約形態の期間の上限が20年までであるというのは、あまりにも短すぎるという批判がなされ、産業界からも、この上限の引き上げについて要望がなされていました。

平成20年1月の改正は、このような土地利用の形態の多様化に対応するため、事業の用に供する建物の所有を目的とする定期借地権の存続期間の上限を引き上げることとしました。

具体的には、従来「10年以上20年以下」とされていた事業用借地権の存続期間を実質的には、「10年以上50年未満」としました。
事業用借地権を規定する改正後の第23条は、旧規定の「10年以上20年以下」という文言を、単に「10年以上50年未満」と改正したのではなく、第1項では「30年以上50年未満」のものを規定し、第2項では「10年以上30年未満」のものを規定しています。しかし、これは、特別に2種類の事業用借地契約の類型を設けようとしたものではなく、普通借地権の存続期間について同法は30年とし、これより短い期間を認めないため、事業用借地権という特殊な類型を認めるに当たり、30年未満のものと、30年以上のものとでは、適用しない条文が論理的に異なるからです。したがって、「10年以上30年未満」の契約と「30年以上50年未満」の契約との間には、前者では上記1.の3つの特約が有効とされるのに対し、後者では3つの特約を適用するかどうかが、任意であるという違いはありますが、借地借家法の適用関係は、現実には実質的な差異はありません。

この改正は、平成20年1月1日から施行されています。

3. 建物譲渡特約付借地権

建物譲渡特約付借地権は、地主が借地人の所有する借地上建物を、契約から30年以上経過後に買い取って借地権を消滅させる仕組みです。 その概要は以下の通りです。

1 建物の存続と借家関係の引継ぎ
借地人は契約期間満了時に土地を返還することになりますが、建物は地主が買取、以後は地主が建物の所有者となります。地主は、建物の買取後は建物のオーナーとして家主になるので、買取った建物に借家人がいる場合には、地主に建物賃貸借契約による建物の利用関係が引き継がれます。
2 投資資本の回収
借地人は建物に投下した資本を、建物を地主に譲渡することによって回収し、建物居住者もその居住の継続を保証され保護されることになります。

※本サイトに掲載の内容は、平成29年7月現在の法令に基づき作成しております。

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