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土地有効活用による税効果 その2 相続税の軽減

税理士法人 ファミリィ 代表社員・税理士 山本和義

土地有効活用に伴い、アパート・マンション等の賃貸建物を建築すると相続税の軽減に大きく寄与します。それらの課税の仕組みと留意点を簡潔に解説します。

土地の相続税評価額が下がる

相続税法上、路線価は公示価格の80%程度とされていますが、相続財産のうちに土地等の占める割合が多い人にとっては、土地等の価額そのものが高額ですので大変な税負担になります。しかし、土地等はその利用状況によりさらに評価減を受けることができます。

【例】所有土地の上にアパート・マンションを建築した場合

相続税評価の上で、その敷地の利用区分が更地(自用地)から貸家建付地に変わり、更地の場合より20%~30%程度相続税評価額の引下げを図ることができます。宅地などは更地での評価額そのものが高額ですから評価減による減額金額も大きく、課税価格の引下げに効果的です。

貸家建付地の算式

貸家建付地の算式

建物の評価差額が発生する

建物の相続税評価額は固定資産税評価額に相当する金額で評価されます。また、貸家についてはさらに借家権(30%)の割合を控除します。
固定資産税評価額は建物の建築価額の5~6割程度の評価額が目安となりますので、例えば建築価額1億円の賃貸住宅を新築すると、相続税評価額は借家権割合を控除して約4,000万円程度となり、6,000万円程度の評価差額が期待できます。

貸家の算式

貸家の算式
[図解]
借入金があるから相続税が安くなるのではない
アパート・マンション建築による相続税の軽減効果はアパート・マンションの建築価格と相続税評価額との開差を活用することにより生じます。そのため、アパート・マンション建築資金について自己資金で賄っても借入金によっても相続税の軽減効果は同じです。

【例】

  • ●5,000万円を借り入れて5,000万円でアパート・マンションを建築した場合
    相続税の計算においては、5,000万円の借入金は5,000万円のマイナス財産として評価されますが、アパート・マンションは約2,000万円程度に評価され、時価ベースでは正味財産の増減はないものの、相続税評価額ベースでは3,000万円正味財産が減少し、結果として相続税額が軽減されることとなります。
  • ●自己資金で行った場合
    5,000万円の現預金が減少し、相続税評価額2,000万円のアパート・マンションが増加することになり、借入金で行った場合と同様に相続税の節税効果が期待できます。
<時価に対する相続税評価額の目安>
時価 相続税評価額
土地(自用地) 100 80
土地(貸家建付地) 100 65
建物(自用) 100 60
建物(貸家) 100 40
現預金 100 100
借入金 △100 △100

※本サイトに掲載の内容は、平成30年7月現在の法令に基づき作成しております。

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