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土地有効活用による税効果 その2 相続税の軽減

税理士法人 FP総合研究所 代表社員・税理士 山本和義

土地有効活用に伴い、アパート・マンション等の賃貸建物を建築すると相続税の軽減に大きく寄与します。それらの課税の仕組みと留意点を簡潔に解説します。

土地の相続税評価額が下がる

相続税法上、路線価は公示価格の80%程度とされていますが、相続財産のうちに土地等の占める割合が多い人にとっては、土地等の価額そのものが高額ですので大変な税負担になります。しかし、土地等はその利用状況によりさらに評価減を受けることができます。

【例】所有土地の上にアパート・マンションを建築した場合

相続税評価の上で、その敷地の利用区分が更地(自用地)から貸家建付地に変わり、更地の場合より20%~30%程度相続税評価額の引下げを図ることができます。宅地などは更地での評価額そのものが高額ですから評価減による減額金額も大きく、課税価格の引下げに効果的です。

貸家建付地の算式

貸家建付地の算式

ただし、建築対象予定地が、その地域における標準的な地積に比して著しく地積が広大な宅地の場合は、賃貸マンションなどの建築に伴い最有効利用がマンション適地と判定されると、当該土地の相続税評価額がアップすることも予想されますので、注意が必要です。

広大地の評価
「広大地」とは、その地域における標準的な地積に比して著しく地積が広大な宅地で、開発行為を行うとした場合に道路や公園等の公共公益的施設用地の負担が必要な土地のことをいいます。具体的には、評価対象地が、各自治体の開発許可面積基準以上であれば、原則として、その地域の標準的な宅地に比して著しく地積が広大であると判断されます。
市街化区域にある場合は、三大都市圏は500m2以上、それ以外の地域は1,000m2以上とされています。
広大地の価額は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次により計算した金額によって評価します。
(1)広大地が路線価地域に所在する場合
広大地が路線価地域に所在する場合
(2)広大地が倍率地域に所在する場合

その広大地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1m2当たりの価額を、上記(1)の算式における「広大地の面する路線の路線価」に置き換えて計算します。

(注)

  1. 1上記(1)の広大地の面する路線の路線価が2以上ある場合には、原則として、最も高いものとします。
  2. 2広大地として評価する宅地は、5,000m2以下の地積のものとされています。したがって、広大地補正率は0.35が下限となります(地積が、5,000m2を超える広大地であっても広大地補正率の下限である0.35を適用して差し支えありません。)。
  3. 3広大地補正率は端数整理を行いません。

しかし、評価対象地が、中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものは、広大地に該当しません。中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものとは、その宅地について経済的に最も合理的であると認められる開発行為が中高層の集合住宅等を建築することを目的とするものであると認められるものをいいます。
「中高層」には、原則として「地上階数3以上」のものが該当し、「集合住宅等」には、分譲マンションのほか、賃貸マンション等も含まれます。

建物の評価差額が発生する

建物の相続税評価額は固定資産税評価額に相当する金額で評価されます。また、貸家についてはさらに借家権(30%)の割合を控除します。
固定資産税評価額は建物の建築価額の5~6割程度の評価額が目安となりますので、例えば建築価額1億円の賃貸住宅を新築すると、相続税評価額は借家権割合を控除して約4,000万円程度となり、6,000万円程度の評価差額が期待できます。

貸家の算式

貸家の算式
[図解]
借入金があるから相続税が安くなるのでない
アパート・マンション建築による相続税の軽減効果はアパート・マンションの建築価格と相続税評価額との開差を活用することにより生じます。そのため、アパート・マンション建築資金について自己資金で賄っても借入金によっても相続税の軽減効果は同じです。

【例】

  • ●5,000万円を借り入れて5,000万円でアパート・マンションを建築した場合
    相続税の計算においては、5,000万円の借入金は5,000万円のマイナス財産として評価されますが、アパート・マンションは約2,000万円程度に評価され、時価ベースでは正味財産の増減はないものの、相続税評価額ベースでは3,000万円正味財産が減少し、結果として相続税額が軽減されることとなります。
  • ●自己資金で行った場合
    5,000万円の現預金が減少し、相続税評価額2,000万円のアパート・マンションが増加することになり、借入金で行った場合と同様に相続税の節税効果が期待できます。
<時価に対する相続税評価額の目安>
時価 相続税評価額
土地(自用地) 100 80
土地(貸家建付地) 100 65
建物(自用) 100 60
建物(貸家) 100 40
現預金 100 100
借入金 △100 △100

※本サイトに掲載の内容は、平成28年7月現在の法令に基づき作成しております。

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